Hermeto Pascoal e Supermercado

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エルメート・パスコアルのライブがある、しかもフリーだ、というニュースはその日の朝飛び込んできた。ニテロイからフェリーに乗って街へ戻ると、ライブ会場である駅前広場へ向った。広さは新宿ミラノ座の前にある広場くらいだろうか、大型のトラックそのものがステージになっている。前夜のサンクリストバンでのライブ同様、ここでも音響チェックに時間がかかっている。音がなかなか出ないらしい。

人々の姿がまばらな間に、ステージから近い場所を陣取った。準備は万端。初めにサックスカルテットが出てきた。ジャズのスタンダードナンバーを演奏している。グルーブにどことなくブラジルのテイストを感じる。パーカーもマイルスもみんなブラジルのポルトガル語のような雰囲気に聞こえる。以前パリでジャズを聞いたときに、アドリブにフランス語の雰囲気を感じて面白いと思ったことがある。ラップのノリはアメリカ英語の雰囲気だ。イギリス英語の雰囲気のラップは聞いたことがないな。ということは日本人の奏でるジャズもボサノバも、日本語のテイストとか日本風土的グルーブになっているのだろうか、、、気づくと周囲の人波はさっきの倍になっている。ステージの一番前にはパイプ椅子の並べられているスペースがあるにはあるが、席を圧倒的に上回る人が押し寄せてきている。

立ったまま人ごみの中でビールを飲んでいる人がいる。煙草を吸っている人もいる。人ごみで火を使っているのに不思議と危なっかしさを感じない。演奏は淡々と続く。カルテットが終わってエルメート・パスコアルのバンドメンバーがステージにあがってきた。演奏が始まったが本人はなかなか出てこない。このまま1ステージ終わってしまんじゃないかと思っていたら本当に終わってしまった。わけがわからず待っていると、もう一度バンドメンバーが出てきた。今度は中央に供えられたマイクの前に2、3人ずつ立って、全員でアカペラで歌い始めた。

ほんの余興のようだったけれど、クオリティの高い演奏に期待が高まる。やがてメンバーはそれぞれの持ち場につき、満を持したようにエルメートが登場。会場は湧き上がる。さっきまでの演奏は助走だったのか?さらに濃いオリジナリティあふれる演奏が次々と展開される。

人の数はさらに増える。

暑さと混雑に耐えられなくなって、人ごみをかき分けてバックステージまで移動した。

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ステージの裏手に当たる公園のベンチに家族連れが座っている。ここなら安全だろうと思って腰かけて、向こうから聞こえてくる音楽を聞きながらくつろいでいた。風が気持ちい。ふと、家族連れの足元を見ると裸足である。子供も大人も裸足で、よく見ると着ているものも少しうす汚れた雰囲気だ。ブラジル人はきれい好きと聞くから日本のそういう場所で見かける人たちよりもずっとこざっぱりとしてはいるが、明らかに様子が違うことがだんだんわかってきた。

はっとして、静かに立ちあがった。安全と言えば安全だが、コンサートに疲れた旅行者が休憩するような場所ではないようだった。

公園の向こうに見えるスーパーマーケットには、たくさんの食材が並んでいた。

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やる気があるのかないのか、2人しか並んでいないレジは10分たっても自分の番が回ってこない。並んでいる人は誰も怒っていない。レジの担当者は隣のレジの担当者と話までしている。訳がわからない。水を買いに入っただけなのに30分以上いたのではないか。日本のスーパーのレジが魔法のように思えた。

コンサート会場の人ごみに戻ると、演奏はいよいよフィナーレ。ステージには今まで演奏していた大勢のミュージシャンが入れ替わり立ち替わり現れては演奏を続けていた。メリハリの聞いたアレンジや個々のバンドメンバーの高い演奏技術は聞く者を圧倒する。

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カフェの椅子に腰かけると、どっと疲れが押し寄せてきた。アバカシー(パイナップル)ジュースが静かに熱を癒してくれるようだった。

追記:探したら偶然その日の演奏の映像がアップされていたので、参考までに。

 

 

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